HOKAMA Shuzen
【日 本/沖縄学者】
「沖縄学」を大成し、伝統的な言語・文学・文化の分野を中心に常に沖縄研究をリードしてきた研究者。アジアの中で日本を考えるときに重要な位置を占める沖縄の伝統的な文化の研究にかかわり、それを「沖縄学」として大きくまとめ、その普及の活動も積極的に行っている研究者である。
フィールドワーク八重山・石垣島北端の御嶽(うたき〔拝所〕)探訪
(1997年)
伊波普猷(いはふゆう)氏の写真と著書を前に
(2002年)
講演録
 「アジアの中の日本、日本の中のアジア」を考えるときに、沖縄研究は重要な位置を占める。外間守善氏は、その沖縄の言語・文学・文化研究をもとに「沖縄学」を大成し、その普及にも多大な貢献をしてきた。
 常に日本の他の地域における文化や歴史を理解するときの里程標としての位置を持つ沖縄。アジアの諸地域との歴史的・文化的に深い交流を続けてきた沖縄。日本の他の地域とは異なる関わり方でアジア諸地域へ積極的な活動を見せる沖縄。沖縄からアジアへと、アジアから沖縄へとのダイナミックな動きをとらえるものとしての沖縄研究の現代的な重要性がある。
 外間氏は、この沖縄研究の中心的な研究者として、特に伝統的な分野での研究基盤を築き発展させてきた。同氏は、沖縄最古の歌謡集である『おもろさうし』の研究を続け、沖縄各地のフィールドワークにより収集した歌謡を集めた『南島歌謡大成』などの研究にリーダーシップを発揮し、沖縄文化の基層を明らかにした。特に、南島歌謡の研究では、奄美・沖縄・宮古・八重山の4グループの特徴とその底に流れる共通性を初めて論証した。その研究の目は、当然広くアジアへ向けられていて、「沖縄学」の国際的な共同研究など、新たな沖縄研究の創生へと向けられている。
 また、外間氏は、このような研究の面ばかりでなく、大きくまとめた「沖縄学」の成果を一般の人々にも知ってもらい、さらなる研究の発展をはかるために、法政大学の沖縄文化研究所の創設に中心的な役割を果たし、また、今日に至るまでの25年の長きにわたり、沖縄文化協会の会長として沖縄各地で「沖縄学」について講演も続けている。その他、沖縄各地のフィールドワークや東京・沖縄・シドニー・ボンなどでの沖縄研究国際シンポジウムのオーガナイザーとして活躍するかたわら、法政大学・東京大学・國學院大學などでも後進の指導にあたってきた。
 このように外間氏は、「沖縄学」の基礎作りから今日的な研究の到達点まで常に関わっており、さらに広くアジア全域をも視野に入れる研究も目指している。この業績は、まさに日本人初の「福岡アジア文化賞―大賞」にふさわしいものといえよう。
(贈賞理由は受賞時のものです)
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